Hoshinomaki's diary

国立大理系のyoutuber兼ブロガーの豆知識

微分と積分、極限はこうしてやってくる

数Ⅲの出題の仕方を学ぼう!

皆さん、数Ⅲはイメージで難しいかどうか考えていませんか?

しかし、数Ⅲはしっかりと出題傾向を掴めば、難しくはありません。

傾向を掴めばどのように勉強すればいいのかもわかります。

今回は僕が独自に作成したこの問題で分析してみましょう。

    f(x)=\dfrac{4x-9}{(x-4)(2x-1)}\\とする\\(1)f'(x)を求めよ\\(2)f(x)のグラフの概形をかけ\\ただし\\漸近線、関数の増減\\のみで良い\\(3)x軸,y軸,x=-1,f(x)\\に囲まれた図形の面積を\\求めよ

 

微分がうまくできないとドミノ形式で失点

(1)と(2)の解説からいきましょう。

(1)はただの計算問題ですが、 (2)でも生かされます。

今回の場合は、増減のみですが、変曲点やグラフの凹凸についても問われることはよくあります。

計算問題だからといって、計算練習を疎かにしてはなりません。

(1)解説

f(x)=\frac{4x-9}{(x-4)(2x-1)}=\frac{4x-9}{(2x^2-9x+4)}

(x\neq\frac{1}{2} , x\neq4)

より

f'(x)=\frac{-8x^2+36x-65}{(2x^2-9x+4)^2}

(2)

f'(x)=\frac{-8x^2+36x-65}{(2x^2-9x+4)^2}について

(2x^2-9x+4)^2>0、

-8x^2+36x-65<0より

f'(x)<0

以上から増減表は以下の通り

f:id:hoshinomaki:20200707192713p:plain

 

極限も問われるなど、多方面の知識が少数の問題で問われる

解説はいったんここでストップします。

今までの計算過程は導関数が影響していることが分かります。

つまりここで計算ミスをすると大失点です。

さらに、ここからは極限も問われていきます。

漸近線はどれなのか、グラフの極限値はどう取るのかなども調べなければなりません。

定義域でない値と\pm\inftyは絶対に調べなければなりません。

 (2)解説 続き

\lim_{x \to \pm\infty} f(x)=0

\lim_{x \to \frac{1}{2}\pm0} f(x)=\pm\infty(複合同順)

\lim_{x \to 4\pm0} f(x)=\pm\infty(複合同順)

また

x<\frac{1}{2}4<x

の時(x-4)(2x-1)>0で

\frac{1}{2}<x<4

(x-4)(2x-1)<0

また、x<\frac9{4}の時

4x-9<0

\frac9{4}<xの時

4x-9>0

よって、x<\frac{1}{2}の時f(x)<0、

\frac{1}{2}<x<\frac9{4}の時f(x)>0

\frac9{4}<x<4 の時 f(x)<0

4<xの時 f(x)>0

 したがってグラフの概形は以下の通り

f:id:hoshinomaki:20200707203426p:plain

漸近線はx軸、x=\frac{1}{2}x=4

 

 概形がうまく描けて初めて積分です

グラフの概形が描けないと、位置関係の把握などができないため、立式もできません。

ただ、うまく立式ができれば積分は計算のみです。

(3)解説

(2)より-1<x<0において、f(x)<0

よって求める面積Sは

S=-\int_{0}^{-1}f(x)dx

=-\int_{0}^{-1}\frac{4x-9}{(x-4)(2x-1)}dx

=-\int_{0}^{-1}\frac{4x-9}{(2x^2-9x+4)}dx

=-\int_{0}^{-1}\frac{(2x^2-9x+4)'}{(2x^2-9x+4)}dx

=\int_{-1}^{0}\frac{(2x^2-9x+4)'}{(2x^2-9x+4)}dx 

=log\frac{15}{4}

まとめ

以上のオリジナル問題から傾向と対策をまとめます。

偏差値50くらいの大学ではこのような出題傾向が極めて顕著です。

このような典型問題くらいはできるようにしておきましょう

まずはこのような実態を把握して、受験勉強に専念しましょう!